Top-P?
Top-P は、生成AIが次の語を選ぶ際に “どれだけ広い候補範囲を使うか” を決めるパラメータです。
累積確率が P に達するまでの語だけを候補に含める方式で、
数値を下げると確率の高い語(定番表現)に限定され、
数値を上げると語彙の幅が広がり、人間らしさ・自然さが増します。
一般的な傾向:
以下の図で示すように、
0.2では “決まった棚の本だけから言葉を選ぶ” ような狭い範囲、
0.95では “ほぼどの棚の本からでも選べる” イメージに近いです。

- 低め(0.2)
:安全・定番・型にはまった表現 - 中間(0.5–0.7)
:適度な揺らぎ・少し冒険 - 高め(0.9–1.0)
:自然な文章・語彙の広がり・ゆるさが出る
◆ 実務での使い分け
敢えて変更するのであれば、以下になると思います。
- FAQ・規約文・手順書(安定性重視) → Top-P を低め(0.2–0.5)
- 汎用文章 → 中間(0.5–0.9)
- コピー・ネーミング・企画系(自然さ・柔らかさを重視) → 高め(0.9–1.0)
◆ 得られた知見
Google Cloud 生成AIリーダーの学習および Google AI Studio を用いた検証を通じて、
Top-Pは、生成AIが次語を選ぶ際の「候補語の範囲」を調整する主要パラメータであることを実践的に確認しました。
- Top-P は「語彙の広さ」と「人間らしさ」を調整する実用的なパラメータである
- キャッチコピーのような短文では、Temperature と比較しても差が小さく感じられた
⇒小説のように語彙選択や描写の分岐が多い文章では、Top-P の違いが見えやすいと言われています - 多くのモデルのデフォルト(0.9〜1.0)でも十分自然な文章が生成される
- 実務では “特に意図がなければデフォルトを使う” という判断も妥当
プロンプトと出力例(実験結果)
今回使用したプロンプトと、Top-P を変えて生成した出力結果を以下にまとめています。
[プロンプトと生成比較を見る(Top-P)]