パイナップルの葉の「とげ」位置の推移

1.概要

5年くらいパイナップルを育てている。
最近生じた変化がストレスによるものか、植え替え前に意識すべき点はないか、
Feloでの調査内容を以下にまとめる。

2.状況

ここでは、一般的な「個人でパイナップルを生育する場合の手法」および、「私が育てているパイナップルの状況」を前提条件として簡易的に説明する。

2-1.パイナップルの生育

パイナップルを家庭で育てるには、果実の上部の葉の部分(クラウン)を切り取り、水に浸して発根させ、
土に植え替え、土栽培に移行する。多年草であるパイナップルは、生育には比較的長い時間を要する。
環境や管理状況にもよるが、植え付けからおよそ3年から5年程度で花芽が形成され、条件が整えば開花、結実に至ることもある。

2-2.私のパイナップルの状態

本稿で観察対象とするパイナップルは、2020年に水栽培から土栽培へ移行したものである。その後、生育を続け、2023年に実施した鉢上げでは、事前に想定していたほど根が張っていないように感じられた点が印象に残っている。

使用している用土は鹿沼土を主体としており、基本的に、暖かい時期は昼間にベランダへ出し、夜間は室内へ取り込んできた。ただ、今年の夏から秋にかけては、引越しなどで手がかけられず、終日ベランダ管理となっていた。

現在、土上部に伸びている葉の高さはおよそ70cm程度で、この数年で葉は20㎝程度伸長している。一部の葉には虫食いと考えられる痕跡が見られるものの、新しい葉は継続的に展開しており、外観上は成長が大きく停滞しているような兆候は見られない。

次の春に植え替えを検討しており、根張りを心配しているところである。

2-3.最近の変化

11月になり、パイナップルを室内に戻し始めた。その際、まず気づいたことは、鉢表面の鹿沼土の状態である。
表面の粒が崩れて砂状になり、全体のかさが以前よりも数センチ下がっているように見えた。
そこで、砂状の土ではない鹿沼土への効果は不明だったものの、表面に「再生する土」を撒いてみたところ、
砂状だった表面に、やや塊のある粒が見られるようになった。

11月中旬頃は、葉の横幅が広くなったように感じる程度で、大きな変化は認識していなかった。しかし、12月中旬頃、葉の形状に変化がみられた。
具体的には、これまで葉先にのみ見られた鋸歯(きょし、のこぎりば)が、葉元まで連続して確認できるようになったのである。

この変化はすべての葉で一様に見られるわけではなく、外側の数枚の古い葉の葉元には鋸歯は見られない。

一方で、内側の多くの葉には葉元まで鋸歯が確認できた。

夏の引っ越し以降、擬態化したバッタなどの虫がパイナップルにとまっている様子を視認できたため、ストレス耐性が発生しているのではないかと考えていた。

現時点で明確な因果関係は不明だが、
現状の考えられる変更点は、土の状態や管理環境であり、
パイナップル自身の変化は、葉の幅や伸長、鋸歯の分布位置である。

この成長しているプラス面とストレス耐性と思われるマイナス面が同時期に起きていることに疑問を覚えた。

※数年前にも長距離で引越しを経験しているため、
 🚚揺れなどの問題は今回ははずしている。

<写真>中心部のみ葉元に広がる鋸歯

3.調査

春の植え替えを前に、現在見られているパイナップルの葉の変化について、
植え替え前の状況を整理し、準備をしておきたいと考え、調査を行うことにした。

3-1.Feloでの調査

2024年12月に、Felo Proを1か月間利用できるチケットをいただいたことをきっかけに、
今回の調査ではFeloを活用することにした。

これまでも、Feloは正しい情報を取得できることや、理系分野・技術的なトピックに強いという情報を得ていた一方で、
ファクトチェックや情報収集にとどまり、Feloの特性を十分に活かした使い方ができていないように感じていた。

これを機に、Feloの特性を活かした使い方をChatGPTに事前に相談したところ、
Feloは情報収集能力が高く、広い範囲の知見を集める用途に向いている
との回答を得た。

今回のテーマは、園芸・植物生理・栽培環境など複数の分野が関係しており、
さらに、日本では限られた地域でしか栽培されていない作物である。

数年前のシャインマスカットに関する報道が記憶にあるように、
農業分野の情報は、生産者や種苗を扱う方々にとって重要な資産であり、
インターネット上には十分な情報が公開されていない可能性があると考えた。

これらの理由から、まずは幅広く情報を集めることが重要だと判断し、
最初の調査ツールとしてFeloを使用することにした。

3-1-1.Feloとのやりとり(1回目)

Feloに現状を伝えた上で、環境依存かを確認してみたところ、「『環境依存』の可能性が高い」との回答だった。
以下はその詳細である。

1)Feloへのプロンプト

パイナップルを5年くらい育てていて、今1mくらいまで、葉が伸びている。元々葉先にあったギザギザが最近、葉元にまででているの。このぎざぎざは、環境依存なのかな?

2)Feloの回答

Feloは、14ソースを思考した上で、「『環境依存』の可能性が高い」と回答した。

3)Feloの回答に対する所感および課題

Feloの情報源の多くは個人の栽培記録など、家庭栽培における経験談に近い内容を記録したSNSであり、学術的・体系的な一次情報に基づくものは確認できなかった。

そのため、回答内容は当初想定していた「文献や論文からの『正しいであろう』結果」ではなく、
「何を正悪としているか」が記載されていないなど、情報や回答の質が低いと判断したため、
Feloに引き続き確認した。

<確認時のプロンプト>
・どういう状態だと、成長が悪いのかな?
・葉のギザギザに対する詳しい説明はない?
・次の春に植え直そうと考えている。前回、あまり根がはっていなかったの。
元気だと、根はどうあるべき?

しかし、これらの問いについても、Feloから得られた情報はいずれも一般論にとどまり、
参照資料にはパイナップル以外の植物を含むものがあった。
そのため、「パイナップルの葉がもつギザギザの位置の推移」に対する説明の妥当性の疑問が大きくなった。

そこで、プロンプトの内容を見直すことで生じる変化に期待し、ChatGPTに相談しうえで、
改めてプロンプトを調整することとした。

3-1-2.Feloとのやりとり(2回目)

1回目で情報量と質に疑問をもったため、ChatGPTに相談したプロンプトを用いてみた。
修正後のプロンプトおよびプロンプトに対するfeloの回答(抜粋)が以下である。
勿論詳細は割愛している。

1)Feloへのプロンプト

パイナップルの葉に見られるトゲ(鋸歯)の形成について、
植物生理学の一般論(防御、成長段階、ストレス応答)から
考えられる要因を整理してください。
一次情報が少ない場合は、仮説レベルで構いません。

2)Feloの回答

65ソースを元に思考し、要因として、以下5つの回答を得た。

これらの要因は相互に関連しており、パイナップルの葉に見られる鋸歯の形成は、植物が生存するための複雑な適応戦略の一部であると考えられます。

1. 防御機能
  ・・・草食動物からの食害を防ぐための物理的な障壁
2. 成長段階
  ・・・成長が進むにつれて、もたらされるトゲの形状や大きさの変化
3. ストレス応答
  ・・・環境ストレス(乾燥、高温、低温など)に対する応答
4. 環境要因
  ・・・光の強さや土壌の栄養状態、湿度などによる植物の防御機能の強化に伴う鋸歯の発達
5. 遺伝的要因
  ・・・遺伝的な背景が、環境に対する応答や防御機能の強化に影響を与える

3)Feloの回答に対する所感および課題

回答結果はやはり一般論で、想定内のものが多かったが、パイナップルの葉のとげを鋸歯とすると、興味深いソースもあったため、以下で紹介する。

・「鋸歯」についての原因はあまり定かになっていない。
・環境適応とは言えない一方、鋸歯の有無が年平均気温と関係があるとのことである。
これは、しばらく外に放置していた数ヶ月分を部屋との気温差を考慮すると、あり得る。

また、
・鋸歯の先端に水孔という水分調整機能がある。
これは、外に出していた分、水のやりすぎが影響した可能性も考えられる。

ただし、
・生き物の形は必然性からなるものばかりではない、あまり意味はない可能性もある。
との記載もあった。


他の文献では、種類の豊富さや野性的なものはとげがあるなどの記述もあり、
外へ放置した結果、野性味が増したなどということも考慮材料の1つとして、残しておく。

結果的には、1回目も2回目も回答に大差がなかったこともあり、
さらにChatGPTに相談してプロンプトを変えてみた。

情報収集に強みを持つFeloに酷な気もしたが、
「パイナップルの鋸歯の位置に関する一次情報が少ない」ことを前提にして、
再度Feloに問いかけた。

3-1-3.Feloとのやりとり(3回目)

1)Feloへのプロンプト

パイナップルの葉の鋸歯が
葉先から葉元へと分布を広げるように見える現象について、
一次情報が存在しないことを前提に、
考えられる仮説と、その仮説を検証するための観察ポイントを整理してください。

2)Feloの回答

仮説依頼のため、今回は0ソースで思考し、仮説を3点、観察ポイントを4点、回答を得た。
<仮説>
1.成長段階による変化
2.環境ストレスの影響
3.遺伝的要因
<観察ポイント>
1.葉の成長段階の記録
2.環境条件のモニタリング
3.ストレステスト
4.遺伝的分析

3)Feloの回答に対する所感および課題

やはり気になるのは、「ストレス」。
「ストレスがかかったが、風通し、日光状態が良かったことがプラスに働いた」と、
マイナスとプラスの要素を分けて捉えることはできるものの、
ストレスがかかったのであれば、そもそも、葉幅は広くなるものだろうか、
という疑問もある。

また、個人では遺伝的分析は難しく、
ストレステストなどは、そもそも、目的が「次の植え替えでよりよい状態をつくること」であることから、
今回は論外とするため、これまで同様、モニタリング以外にできることはないと思われる。

3-2.ChatGPTでの調査

DeepResearchを使うことで、
もう少し異なる情報が取得できる
のではないかと考え、
今度はChatGPTに依頼した。

<写真>葉の先端から続く鋸歯

3-2-1.ChatGPT(DeepResearch)(1回目)

1)ChatGPTへのプロンプト

土に植えて3,4年目の頃はパイナップルの葉の先しかついていなかったギザギザが、去年の11月頃から、葉元にまでギザギザしていることに気づいた。この数ヶ月での変化が栄養不足やストレスによるものかを気にしている。何が原因か調べて教えて。一次情報が少なければ、仮説を立てて説明してみて。

※ChatGPTが作成したFelo用のプロンプトをChatGPTに入れてみたが、
 妙な結果を出してきたため、再度ページを変えて、上に記載したプロンプトでDeepResearchを試みた。

2)ChatGPTの回答

110件を検索し、15件の情報源から、
「パイナップル葉のトゲ発達に影響する要因と観察事例」として、以下のような回答を得た。
(一部抜粋)
1.環境ストレス・栄養状態と葉のトゲ発達
 ・光環境
 ・水分ストレス
 ・温度ストレス
 ・養分バランス
 ・生育段階

2.葉のトゲ位置・密度変化の事例とメカニズム
 ・乾燥ストレスによるトゲの発達(成長くびれ現象)
 ・高温ストレス(特に夜温)によるトゲ増加
 ・品種によるトゲ分布の違いと混同

3.トゲの変化は異常生長か?それとも成長段階の一環か?
結論から言えば、明確な環境変化やストレスと結びついている場合は異常(不健全)のサインと考えるべきです。一方、緩やかなトゲの発達であればある程度は成長に伴う自然な変化とも言えます。

4.葉の形態変化が示す健康状態のサインと対処法
・葉のトゲが普段より増加・鋭利化した
 :栽培環境の見直し・・・株に活力を与えると新葉の形成が安定しトゲの異常発生が収まりやすくなります。

・葉色の変化(赤や紫に変色)
 :ストレスのサイン・・・温度要因の場合は防寒対策の徹底、乾燥原因なら適度な潅水、リン不足の場合は液肥

・葉の黄化(全体に黄ばんで元気がない)
 :窒素不足や根の問題・・・春~秋にかけては定期的な追肥を検討、冬なら無理に肥料を足さず、根の状態を確認
   ・・・・
   ・・・・

3)ChatGPTの回答に対する所感および課題


1.環境ストレス・栄養状態と葉のトゲ発達」の最後は、
「このような知見から、該当株のトゲ増加は遺伝的な品種変化ではなく環境要因による一時的・可逆的な形態変化である可能性が高いと言えます。」
とまとめてあった。

途中までは納得していたが、
「数ヶ月の変化を遺伝的な品種変化と捉えること自体が妙ではないか?」
と、当たり前のことを冗長に記載された結果に再びモヤモヤした。


2.葉のトゲ位置・密度変化の事例とメカニズム」には、以下の記載がある。
こちらも納得しかけたものの、パイナップルは熱帯、亜熱帯の植物であることから、
「生育に必要な温度は20~38℃(68~100.4 ↪So_2109℃)」であり、
「11月中旬頃の夜間は20度なかったのではないか」と考えると、
2つの解説のいずれも、とげの位置が外側以外変化していることに疑問が残った

・「深刻な乾燥ストレスを受けたパイナップルでは、一度成長が停止し、その後水分が供給されると葉の成長が再開されることが示されています。
この際、成長停止と再開の境目で葉がくびれ、ちょうどその部分の葉縁にトゲが顕著に発達するといいます。」

・「結果の一つとして、夜温が高い(30℃程度)環境では葉の縁にトゲが増える現象が報告されました。
対照的に、夜温が涼しい(22℃程度)環境では葉は直立・短縮化し、トゲの発達は普通の範囲内だったとみられます。
Friendは高夜温がパイナップルの花芽形成を抑えることも指摘していますが、
それに加えて栄養成長期の葉にも影響を与え、通常はほとんど棘の出ない株に棘を生じさせたと考えられます」とあった。



以降は、とげとは関係のない情報が大部分であり、結論をストレス起因としている様子がうかがえた。
これらはFeloが参照した、
「生き物の形は必然性からなるものばかりではない、あまり意味はない可能性もある」には
一切触れていない。


また、「参考文献・情報源」に、
「Bartholomew, D. P. 他 (2002) The Pineapple: Botany, Production and Uses – パイナップル栽培の専門書。
乾燥ストレス時の葉の形態変化(トゲ発生)や温度ストレスによる影響について詳細な研究報告」とあり、
歓喜したものの、インターネット上では公開範囲を限定しているのか、知りたい箇所は詳しく記載されていなかった。
取り寄せてみると、解ることも増えるかもしれないが、
私のパイナップルがどの品種かさえ、理解していないということが大前提にあることに気づかされた。

4.考察

今回、FeloやChatGPTを用いて、「パイナップルの葉がもつ鋸歯の位置の推移」について調査した内容を
以下に考察する。

4-1.パイナップルに対する考察

今回観察されたパイナップルの葉の鋸歯(とげ)の分布変化については、
単一の要因で説明することは難しく、複数の可能性を整理して考える必要があると感じた。

まず、品種や原産地に関する情報が不明な点は、考察するうえで大きな制約となっている。
一般に、「野生に近い品種ほど鋸歯が残る傾向がある」とされており、
品種改良の過程で鋸歯を減らした系統も存在する。
しかし、本稿で扱っている個体については、栽培開始時点で品種や原産国を記録しておらず、
遺伝的要因がどの程度影響しているのかを判断することはできない。



次に、栽培環境および管理条件の影響が考えられる。
土栽培に植え替えて以降に使用しているはいずれも、室内利用を想定した栓付きの鉢であり、
排水性の点で最適であったかは再検討の余地がある

また、用土には鹿沼土を主体としているものの、
長期間ベランダで管理したことにより、降雨や空気中の影響を受け、
土壌環境が変化している可能性も否定できない。

以前目にした酸性雨に関する記述を踏まえると、
土壌pHの変動が生育や葉の形態に影響を与えている可能性も考えられる


形状的な変化としては、葉幅の拡大や葉の伸長が見られる一方で、
鋸歯の分布が葉先から葉元にかけて広がっている点が特徴的である。
特に、外側の古い葉には葉元までの鋸歯が見られず、内側の比較的新しい葉において顕著であることから、
鋸歯の形成は葉が展開する時点の環境条件を反映している可能性がある

ただ、最近の観察で、片側のみに鋸歯が見られる葉が存在したことから、
日当たりなどで葉の中の構成にも影響を与えている可能性についても考えさせられた。


以上を踏まえると、
今回の鋸歯の変化は、品種的要因、栽培環境、土壌条件、日照などが複合的に影響した結果として
現れている可能性が高い。
ただし、現時点ではいずれも仮説の域を出ず、明確な因果関係を示すことはできない。

今後は、冬越しの環境を整えつつ、植え替えの準備や葉の成長過程の継続的な観察を行い、
変化の推移を事象とともに記録していく必要があると考える。

4-2.生成AIに対する考察

今回、FeloおよびChatGPTを用いて調査を行う中で、生成AIの特性や限界について、いくつかの気づきが得られた。

以前の学びにより、
生成AIは試行錯誤を伴いながらも、最終的には確率論的に最も妥当とされる回答へ収束させる」と理解していた。
実際、本件のように多くの参考情報が「植物がストレスを受けている可能性」を謳っていた場合
DeepResearchの回答は、多数決的に「問題はない」「判断できない」といった結論は、削除される傾向が見られた
Feloはかろうじて、「異常がない可能性」を記載した参考文書を提示してくれたものの、
チャット欄の出力結果のみで判断していた場合、誤った解釈に至っていたと思う。
マイノリティな見解や情報不足により判断できない可能性を、十分に切り分けることが難しいと感じた。


調査を振り返ると、Feloでは全て文章で説明する必要があり、写真を直接提示できない点が制約として感じられた。
ただ、試しにGoogleレンズも使用してみたが、パイナップルの状態を特定するには至らなかった。

また、FeloとChatGPT、ChatGPT(DeepResearch)では、それぞれ異なる件数の情報が提示された。
Feloでは、検索対象の選定が単語ベースに強く依存している印象、
たとえば、根の状態を調べた際には、発根させる水栽培時の発根に関する情報が抽出されていたり、
鋸歯について調べた際には、パイナップル以外の植物における鋸歯の事例が混在したりする場面が見られた。

これら提示された参考文献では、鋸歯の経時的変化を直接扱った情報源はほとんど含まれていないことから、
一次情報の不足」と考えた。

一次情報が少ない分野では、生成AIに「正解」を求めるよりも、関連する情報を広く収集させ、
その中から人が取捨選択する使い方の方が有効
だと感じた。
実際には、FeloやChatGPTで集めた情報や参考文献をNoteBookLMなどを用いて要約・整理しながら検討する方が、
結果として「正しいであろう回答」を取得できる可能性がある。


さらに、AIごとの設計の違いも影響していると感じた。
ChatGPTは通常の会話では文脈を踏まえた回答が得られる一方、
DeepResearchに切り替えた場合には、前後のやり取りが十分に引き継がれていないように感じられた。
FeloもChatGPT(DeepResearch)に近く、検索単位ごとに情報が切り出される印象がある。
前提条件を共有し続けることが難しい場合、一回のプロンプトを長文にすることになる。
今回の内容であれば、品種、栽培年数、用土、水やり、肥料といった条件を構造化して提示することが、
AIにとって意味のある入力手法か、Feloにとってbetterなのかも、改めて考えたい。

ChatGPTが追加したFeloに対するプロンプトを今一度見てみると、
「植物生理学の一般論(防御、成長段階、ストレス応答)から(考えられる要因)」や、
「一次情報が存在しないことを前提に、考えられる仮説と、その仮説を検証するための観察ポイントを整理してください。」
など入れた点にも問題があったようにも思う。

おそらく今回の結果としては、ChatGPTに相談したプロンプトでFeloが提示した参考資料で
「ことが足りた」ことになるが、30日PJの残り期間を使って、もっと色々な対象で検証していこうと思う。


以上の経験から、生成AIを用いた調査では、答えを直接得ようとするよりも、データ収集の位置づけで捉え、
一次情報の適切さ、情報量、取得するデータの均等さなどを忘れないようにするべきだと再認識した。
「AIは使う人の能力を超えない」と言われるが、AIの得意な点と人間の担うべき役割に配慮できない場合、
その傾向は顕著に表れるように感じた。

5.まとめ

パイナップルの状態については、AIを用いた調査のみでは明確な結論を得ることはできなかった
しかし、本レポートを作成する過程で継続的に観察を行った結果、葉幅が当初よりおよそ1.5倍程度広がっていることや、
鋸歯の位置が過去の観察とは異なっていることに気づきを得られた
一般的に冬は施肥不要とされるが、冬は部屋に入れていることもあり、成長していることを踏まえると、
今後は栽培環境そのものを改めて見直す必要があると感じている。

また、調査を進める中で、想定以上に本を含めた一次情報は存在していたものの、SNSの感想や実体験をupしたものが多かった。
SNS情報は場合によっては有用な知見となり得る一方で、今回調査した「鋸歯の位置の推移」について、
断片的な情報にとどまっている印象を受けた。

特に植物や技術系の分野では、言語化されにくい暗黙知も多く存在すると考えられる。
そのため、こうした情報をどのように集約し、活用可能な形にしていくかという点において、
ClosedなSmall LLMを用いた情報基盤の構築、社内ネットワークとの接続が課題になると思われる。

一方で、Closedな環境を構築する場合には、学習データの選別や重み付けが重要となる。
今回のケースであれば、SNS由来の情報の重みを下げる、あるいは専門性の高い資料により高い評価を与えるといった設計が
必要になる。しかし、そのようなポイント付けには判断の難しさが伴い、さらに、Closedな環境を構築した場合、
継続的なメンテナンスも欠かせない。

今後、企業や研究の現場においても、どの情報を信頼し、どのように評価・学習させていくかという設計思想そのものが、
より重要になっていくのではないかと考えている。

6.謝辞

最後になりましたが、本調査にあたり、Felo Proを体験する機会を頂きましたことに感謝致します。

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